第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
そこまで言うと、アシュレイは堪えきれなくなったように顔を歪め、声を詰まらせた。

涙が頬を伝い、肩を震わせる。

そんな弟の姿を、エドワルド殿下は優しく見つめていた。

言葉はいらない。すべては、互いの目に宿る絆が物語っていた。

アシュレイの涙は、ただの別れではなく、尊敬と感謝、そして誇りの証だった。

「顔を上げろ、アシュレイ。」

弱々しいながらも威厳を宿した声が病床から響く。

皇太子・エドワルド殿下が、はっきりと告げた。

「次の皇太子は、おまえだ。アシュレイ。」

「えっ⁉」

アシュレイはまるで雷に打たれたように目を見開き、立ち上がりかけた。

その動揺を抑えるように、私はそっと彼を抱きしめる。

「なぜ……?セシル兄がいるのに?」

その問いに答えたのは、第2皇子・セシル殿下だった。

「俺は戦いが嫌いなんだ。争いよりも、文化や学問を重んじる今の立場が好きだ。」
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