第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
エドワルド殿下は痩せ細った手を伸ばし、アシュレイの手を優しく握った。

「泣くな、アシュレイ。」

「しかし……兄上は……」

こらえきれずに落ちた涙が、アシュレイの頬を伝った。

「俺はただ、この世から去るだけだ。悲しむな。お前には、まだなすべきことがある。」

弱々しくも静かな声。

だが、その瞳には揺るぎない意思が宿っていた。

「皇太子殿下……」

アシュレイが、いつになく改まった声で口を開いた。

震える声を抑えるように背筋を伸ばし、兄を真っ直ぐに見つめる。

「妾腹の俺を……本当の弟として扱って頂き……本当に感謝しています。」

その瞳には、涙が溢れていた。

「指揮官に任命していただいた時も……あの時、あなたは……」

声が震え、言葉が詰まる。思い出の重さが、胸に押し寄せるのだろう。

「あなたは、俺に……絶大な信頼を寄せてくれて……」
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