第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
次の瞬間、彼は私を強く抱きしめた。

「ありがとう……ああ、リリアーナ。俺は、今、世界で一番幸せだ。」

私の肩に顔をうずめながら、アシュレイの声が震える。

その光景を、病床のエドワルド殿下も穏やかな笑みで見守り、セシル殿下も肩をすくめて笑った。

「いいなあ、末っ子は。全部持っていく。」

温かな空気が、部屋を包んでいた。

その夜、私はアシュレイと静かに抱きしめ合っていた。

月明かりが寝台の上に差し込み、淡い光が彼の横顔を照らしている。

「リリアーナ……俺、皇太子を受けようと思う。」

その低く真剣な声に、私はゆっくりと頷いた。

「アシュレイ、決めたのね。」

「……ああ。」

彼の手が、優しく私のお腹に触れる。

その仕草は、何よりも温かく、慎重で、そして深い覚悟を感じさせた。

「この子のためにも、平和な国を築きたい。セシル兄と二人で支え合って。」
< 102 / 103 >

この作品をシェア

pagetop