第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している

第2部 戦の兆し

一か月後。

宮中に緊迫した空気が流れた。

「第3皇子、アシュレイよ!総指揮官として、北方の反乱を鎮圧せよ!」

玉座の間に響き渡る国王の声に、アシュレイ殿下がひざをつき、静かに頭を垂れた。

「はっ!」

その瞬間、場にいたすべての者が背筋を伸ばした。

戦が――本当に始まるのだ。

その知らせを聞いた私は、城の中庭で訓練していたルークに小声で尋ねた。

「ねえ、何で……第3皇子が?」

ルークは剣を納めて肩をすくめた。

「皇太子殿下は体が弱くてね。病がちなんだ。だから戦地には向かない。」

「じゃあ、第2王子は?」

「第2王子は争いが苦手でさ。文化や芸術を愛する方なんだよ。剣より筆、って感じかな。」

「じゃあ、アシュレイ殿下は……」

「実力で、戦の任を背負ってる。若いのに、よくやってるよ。」

そう言ったルークの声に、尊敬の色がにじんでいた。
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