第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
私は黙って空を見上げた。

どこかで、アシュレイ殿下も同じ空を見ているだろうか。

不安と――胸の奥に、言葉にならない熱が広がっていくのを感じていた。

そんなある日。

私は、宮殿の花壇のそばで二人の姿を見つけた。

「えっ……!」

アシュレイ殿下と――カトリーナ妃。

並んで歩いている。穏やかな表情で。

仲が悪いと聞いていたのに……。

気になって、思わず近くの木陰に身を潜めた。

「カトリーナ。花、咲いたね。」

「ええ。球根を植えてよかったわ。」

ゆったりと会話するその様子は、まるでおとぎ話に出てくる王子様とお姫様のようで――
(……って、本当に皇子だけど)

胸がきゅっと締めつけられる。

アシュレイ殿下がふと立ち止まり、カトリーナ妃をそっと抱き寄せた。

(……え)

その瞬間、息を呑んだ。

ふたりの距離が、あまりにも近くて。
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