第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
私は息を呑んで、そっと木陰から目を伏せた。

胸の奥に、アシュレイ殿下への想いが、静かに根を張り始めていた。

もう行こう――そう思った瞬間だった。

パキンッ。

小枝を踏んだ音が、静寂の中に鋭く響いた。

しまった、と思った瞬間、振り返ったアシュレイ殿下と目が合った。

「……あっ。」

「聞いてたのか。」

低い声。怒っているわけではないけれど、逃げられない気がした。

「す、すみません……!」

私は慌てて頭を下げた。すると殿下は、はぁーっと深く息をついて、ぽつりと呟いた。

「……リリアーナは、男に抱かれるのって、どう思う?」

「えっ!」

顔が一気に熱くなる。そんなの、知らない!

答えに困っていると、彼はふっと笑った。

「なんだ、まだ乙女か。」

からかうような口調に、恥ずかしさと悔しさが混ざる。

「……恋人は?」

「いません。」

素直に答えると、殿下は少しだけ目を細めた。
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