第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「このリリアーナも、一緒に戦う!」

戦の出陣命令が下ったその朝、私は皆の前で名乗りを上げた。

だが――

「待て!」

兄の鋭い声が飛ぶ。

「全員を行かせるわけにはいかん。」

「どうして!?」

悔しくて、叫ぶように問い返す。

「宮殿を守るためだよ。王都を空にすることはできない。」

兄の言葉は正論だった。でも――私の気持ちは納得しなかった。

兄はベテランのギルバートさんに視線を向けた。

「副団長として、王都の防衛を任せる。リリアーナも……残れ」

「私は……私は、行きたいの!」

気づけば声が震えていた。

剣を振るいたいんじゃない。

私が戦いたい理由は――ただひとつ。

(好きな人と、一緒にいたいもん!)

けれど、それを口にはできなくて。

兄の前では、騎士としての誇りだけを盾に立ち尽くしていた。
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