第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
エメラルドの瞳が、まっすぐに私を射抜いた。

「……そうやって、女を口説いてるんですか。」

精一杯、平静を装って返すと、殿下はくすりと笑った。

「気になる?」

「別に……!」

思わずふいっと顔を背ける。けれど胸が――苦しい。

「嫉妬?」

小さな声。

なのに、その一言が心の奥まで届いてしまった。

「リリアーナ。戦地に行ったら、俺から……絶対に離れるなよ。」

真剣な声だった。

私を見てくれている。

私だけを。

そう思った瞬間、ふいに殿下の顔が近づいてきた。

月明かりが差し込む中、距離は静かに――けれど確実に縮まる。

「アシュレイ殿下……」

顔が近づいてくる――そう思った次の瞬間。

そっと、柔らかなものが私の唇に触れた。

たった一瞬。

触れただけのキス。

なのに、心臓が爆発しそうに跳ねた。

「……ごめん」

そっと離れたアシュレイ殿下が、息を吐くように謝った。





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