第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
ルークは何かを決意したように、アシュレイ殿下のテントへと向かった。

「えっ……待って、ルーク!?」

私が止める間もなく、彼は迷いなく幕をあげる。

「失礼します、殿下。」

テントの中から、低く静かな声が返る。

「どうした?」

「……リリアーナが来ています。」

(うそ、まさか……! 応援してくれたの!?)

驚きと戸惑いで胸がいっぱいになる。

そして次の瞬間、アシュレイ殿下がテントの中から現れた。

薄明かりの中、黄金の髪がやわらかく揺れる。

「……失礼します。」

ルークはそう言い残し、背を向けて去っていった。

私は、一歩前へ踏み出した。

「……お顔を、拝見したくて。」

恥ずかしさに頬が熱くなる。けれど、目はそらさなかった。

するとアシュレイ殿下が、そっと私の手を取る。

そして、何の前触れもなく――引き寄せられた。

「……リリアーナ。」
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