第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「……あなたには、お妃様と子どもを成す義務があるでしょう!」

思わず声が震えた。

あの夜、カトリーナがアシュレイに告げた言葉――

「この身を捧げて何が悪いの?」

あの言葉が、頭から離れなかった。

正妃としての誇り。

王族としての責任。

そして、結婚という動かせない現実。

私なんかが、割り込んではいけない。

そう思ったはずなのに――

ふわりと、アシュレイの腕が私の身体を抱き寄せた。

「……こんな報われない恋は、初めてだ。」

「えっ……?」

私は驚いて顔を上げた。

アシュレイの瞳は、まっすぐ私を見ていた。

「カトリーナとは、愛し合いたかった。夫婦として、うまくやっていきたかった。……でも」

彼は小さく、苦笑した。

「……でも、こんなふうに胸が焦がれることなんて、一度もなかった。」

その瞳に宿るのは、偽りのない感情――

それが私を、また涙で濡らしそうにした。
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