第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
一瞬の静寂の後、アシュレイ殿下は小さく噴き出した。

「……勇ましいご令嬢だな。」

笑った顔も、思っていたよりずっと優しい。

私は胸の奥が不思議に熱くなるのを感じていた。

「失礼ですが、お妃様は……身重なのですか?」

私の問いに、アシュレイ殿下は少し目を細めた。

「ん?」

「……恐れ多いのですが、先ほどの会話が、少しだけ耳に入ってしまいまして。」

殿下は一瞬驚いたような顔をし、それから寂しげに笑った。

「ああ。喧嘩のことか。」

その声には怒りよりも、どこか哀しみが滲んでいた。

「彼女は、身ごもってはいないんだ。ただ……夜を共にすることも、もうずっとなくてね。」

私は何も言えなかった。ただ、殿下の静かな声を聞いていた。

「無理には誘わないよ。彼女を大切にしたいから……でも、たまに寂しい夜もあるんだ。」
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