第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「そこを重ねてお願い致します。僕はもう……カトリーナ妃を愛せません」

王の眉が動き、長い沈黙が落ちる。

やがてため息を吐きながら、低くつぶやいた。

「……おまえが最近、熱心に通っている者がいるとは聞いている。」

言葉に刺があった。私は思わず拳を握りしめる。

王妃の目が私に向けられた時、冷たい視線が肌を刺した。

だが、アシュレイは迷いなく言葉を重ねた。

「彼女を、僕の正妃に迎えたいのです。」

「アシュレイ……」

私の目から涙が零れ落ちた。

まさか、そこまで私のことを……。

離婚してでも、私を正妃に迎えたいと願ってくれるなんて。

「側妃ではだめなのか?」

王が問うた。

「彼女は身分が低いと聞くぞ。」

アシュレイは、ゆっくりと顔を上げて言った。

「彼女――リリアーナは、俺に心からの愛情を向けてくれた、唯一の人です。」

王妃が、その場で小さく息を呑んだ。
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