第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
その温もりに、涙がにじむ。

「俺は、リリアーナさえいればいい。」

低くて、確かな声だった。

「でも、それだけじゃ……」

私の不安がこぼれる。

「それだけで、いいんだよ。」

アシュレイはそう言って、優しく笑った。

その笑顔があまりにも眩しくて、私は目を伏せそうになる。

けれど、彼はそっと私の頬をすくい、唇を重ねた。

優しい、でも確かなキスだった。

「……皇子が離婚したら、どうなるの?」

唇が離れた後、私はそっと尋ねた。

「まあ、王位継承権は無くなると思うよね。」

軽く言うけれど、決して軽い話ではない。

「いいの?」

私は震える声で問いかけた。

「俺、三番目だし。王になりたいわけじゃない。君を失う方が、ずっと耐えられない。」

彼の言葉が、心の奥深くまで届いた。
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