第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「構わない。君と生きるための代償なら、安いものだ。」

アシュレイは、まっすぐに私を見つめて言った。

胸の奥が、きゅっと締め付けられた。

彼の愛は、ここまで真剣だった。

翌日、私は廊下でカトリーナ妃と鉢合わせた。

一瞬、空気が凍る。だが私は怯まず、礼を取るように頭を下げた。

「おはようございます、カトリーナ妃。」

彼女はゆっくりと私を見て、口元だけで笑った。

「あなたの勝ちね。」

驚いて顔を上げると、カトリーナ妃は冷たい視線を向けていた。

「男って、どうしてこう淫らな女を選ぶのかしら。」

言葉の刃が、容赦なく私の胸に刺さる。

「私はただ……身も心も、アシュレイ殿下に捧げているだけです。」

そう答えると、彼女は目を細めた。

「身も心も、ねぇ……」

その声には、どこか諦めの色が混じっていた。

そして次の瞬間、カトリーナ妃はふっと微笑み、寂しげに囁いた。
< 78 / 103 >

この作品をシェア

pagetop