第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
陽の光を受けて、金の髪がきらりと揺れる。

彼の緑の瞳が、まっすぐに私を捉えていた。

鼓動が跳ねる。剣を握る手に、自然と力が入る。

(見てる……私のことを。)

そう思った瞬間、また一歩、この人が私の中に踏み込んできた気がした。

休憩中、木陰で汗を拭っていると、誰かの気配が近づいてくる。

振り返れば、アシュレイ殿下だった。

「殿下。」

慌てて立ち上がり敬礼をすると、彼の視線が私の手に落ちた。

「あの……」

言葉を探していると、彼がそっと私の手を取った。

「血豆だらけだね。頑張ってる証拠だ。」

傷だらけの手を見られて、恥ずかしくてたまらなかった。

女らしい綺麗な手じゃないのに――そう思った瞬間。

「でも、俺の好きな手だよ。」

さらりと告げられた言葉に、胸が熱くなる。

「ありがとうございます……」

それだけ言うのが精一杯だった。

アシュレイ殿下は静かに微笑み、空を見上げた。
< 8 / 103 >

この作品をシェア

pagetop