第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
しばらくして、アシュレイは私を庭園の奥へと連れていった。

緑に囲まれた、ガラス張りの小さなハウス。

まるで童話の中に出てくる温室のように、光がやさしく差し込んでいた。

「素敵……」

思わずこぼれた言葉に、アシュレイが微笑む。

「この庭園を見ながら、お茶を楽しめるんだよ。静かで落ち着くだろう?」

私はうなずいた。ここだけ時間の流れがゆっくりになるようで、夢の中にいるようだった。

テーブルにはアシュレイが用意してくれた紅茶と、焼き菓子が並んでいる。

「リリアーナ。どう?ここの暮らしは。」

「はい。皆さんによくしてもらっています。」

本当は、「特にアシュレイに」と言いたかったけれど、少し照れてごまかした。

アシュレイはカップを手に取り、真っ直ぐ私を見つめる。

「……ここで生きていく覚悟は、できた?」

胸が少しだけ熱くなった。
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