第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
何を思ったのか、私の目からは、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。

止めようとしても、溢れてくる。

「……もし、他の令嬢たちがあなたに言い寄ってきたら?」

アシュレイは一瞬、目をぱちくりさせた。

「そんなの、全部断るだろ。」

当然のように言うその言葉に、胸がきゅっとなる。

「もし、国王陛下が別の令嬢を連れてきたら?」

「いや、父上は俺の気持ちを知ってるって。」

「もし……」

問いかけの途中で、アシュレイが声を荒げた。

「ああ、もう!」

そう言って、彼は私をぎゅっと強く抱きしめた。

「……俺と、結婚したくないの?」

その声には、どこか不安さえ滲んでいた。

私は、彼の胸に顔をうずめた。

「……そんなわけ、ない……」

震える声でそう返した瞬間、アシュレイの腕の力が少しだけ強くなった。

そのぬくもりが、私のすべてを包み込んでくれる気がした。
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