第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「では、新婦。」

祭司の声が聞こえる。

「私、リリアーナ・ファルクレストは……」

そこで、言葉が止まった。

声が、喉の奥で震えて出ない。

鼓動の音が耳に響く。

視線を感じる。

堂内の誰もが、私の口元を見ている。

(本当に……私が彼の隣に立って、いいの?)

王族でも、貴族でもない、ただの騎士の娘だった私が――

彼と並んで、これから先を歩いていくことの重さに、胸が詰まった。

その時、アシュレイがそっと、私の手を握った。

優しく、しかし確かな力で包み込んでくる。

「大丈夫。」

口に出さずとも、その手が、彼の瞳が、そう語っていた。

私は、彼を見上げた。

(この人の隣でなら、きっと乗り越えられる)

涙が滲みそうになるのをこらえて、私は小さくうなずいた。

そして、もう一度。

「私、リリアーナ・ファルクレストは――この方を夫とし、敬い、支え、一生の愛を誓います。」

その瞬間、会場の空気がほどけたようだった。

アシュレイが微笑み、私の手をもう一度、強く握ってくれた。

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