彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)
「ほお~こいつらが、いじめのボスカップルか?」
「そうです。」
うなずきながら言えば、ニヤリと笑う渕上師範。
「渕上ルノアって、姫月愛紗(ひめきあいしゃ)だったんだね。」
「!?わかるんですか!?」
「年の功でね。」
嘘でしょう!?
真逆の化粧をして、髪の色も違うのに、バレちゃうもんなの!?
(神よ!!凛道蓮になった時、絶対!!船越師範に会いませんように・・・!!)
〔★凛はひそかに祈りをささげた★〕
「凛、ケーキを食べ終わったら敵陣を突破するよ。トイレは大丈夫かい?」
「え!?トイレは大丈夫ですが・・・渕上達に姿を見せる気ですか?」
「悪いかい?」
「悪いというか、危険なので・・・別々に出た方が―――――――!」
「お断りだよ!いいかい、凛。いつも通りにしておきな。店から出たら、私に身をゆだねるんだよ、良いね!?」
「船越師範にですか?」
「悪いようにはしないよ!図書館まで送ったる!図書館が閉まったら、タクシーで家まで帰りな!ほら、タクシー代だよ。つりは取っておきな!」
「い、頂けません!しかも外には、クラスメート全員が待機してるのですよ!?」
「その通り、呆れちまうよ!テスト勉強でもしてりゃいいのにね!」
困惑する私のカバンにお金のお札をねじ込むと、ケーキをがっつき、紅茶を飲み干す老女。
「凛!飲み食いしないなら、私がもらうよ!?」
「い、いえ!いただきます!というか、私の分の代金のお支払いを今致しますので――――――」
「おごるといっただろう!?」
「でも!」
「いじめ問題解決したら、おごっておくれ!」
「は、はあ・・・。」
「ほら、かきこんで食え食え!」
「い、いただきます!」
せかされて、慌てて飲み食いして――――――――――
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さん!」
食べ終わる。
「いくよ、凛!知らんぷりするんだよ!知らんぷり!背筋伸ばして、自然にふるまいな!」
「は、はい!」
コートを着る船越師範に合わせ、私もコートを着用。
席を立って、通路に一歩出る。