全部、俺のものになるまで
すると、ノックの音とともに、もう一人の秘書が社長室に入ってきた。

「……あ、もうイチャついてますか」

その言葉に、私たちは慌てて体を離した。

「イチャつくのもいいですけど、仕事は終わらせて帰ってくださいね? 社長も、咲さんも」

にこやかだけど、まったく容赦のない“仕事しろ命令”。

「……あーあ、今日も残業だ。」

私は小さく肩をすくめて、苦笑いする。

でもその瞬間、ふと心が軽くなって、くすっと笑った。

「仕事が終わったら……どこかにご飯、食べに行きましょう」

「そうだな。」

悠真さんは優しく微笑みながら、私をそっと抱き寄せてくれた。

日々は慌ただしく、仕事は厳しくて、恋なんてしてる場合じゃない……はずだった。

でも今、こんな日常こそが、私にとっての幸せなんだと思える。

彼の腕の中で、私はそっと目を閉じた。

──愛されながら、働いて、笑い合って。

これが、私たちのかたち。
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