全部、俺のものになるまで
「乗っていいですか?」

「……ああ。」

助手席に乗り込むと、彼もゆっくりと運転席に戻ってくる。

その静かな車内で、私は震える声を押し出した。

「相馬課長……私のこと、好きですよね?」

一瞬の沈黙。

課長は、ほんの少し目を見開いたまま、きょとんとしていた。

沈黙が怖くて、私は思わず叫んだ。

「……お願いです、何か言ってください。私、もう……泣きそうなんです……」

すると。

「……クククッ。」

静かに、課長が笑った。

「知られてしまったか。」

その笑いは、優しくて、照れていて──

まるで少年みたいだった。

「……最初から、振りなんかじゃなかった。」

相馬課長の手が、そっと私の頬に触れる。

その手のひらの温もりが、何よりの答えだった。

「契約なんて、ただの口実だ。俺は、君が……瑠奈が、好きだ。」

静かに、まっすぐに言い切る声。

その言葉に、胸が熱くなった。
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