全部、俺のものになるまで
「陽翔君……」

私がそう呟くと、彼は静かに言った。

「今は、二人きりだよ。」

抱きしめた腕が少し緩んで、視線が近づく。

陽翔君の顔が、目の前にある。

そのまま――キスされた。優しく、でも迷いのない口づけ。

「……拒まないの?」

私がそっと肩に顔を埋めると、彼は静かに答えた。

「だって、陽翔君が……男の顔をするから。」

その言葉に、陽翔君の目が細められる。

「先生も、女の顔をしてますよ。」

そう言って、再び唇が重なった。

今度は少しだけ深く、甘く。

彼の吐息が耳元にかかるたびに、胸が高鳴った。

ああ、何もかもが変わったのだ。

小さな少年だった彼が、今は私を見つめる男になっている。

戸惑いと、熱が、私の体を包み込んでいた。

「もう、我慢できない。ここで舐めてもいい?」

その瞬間、彼の目が変わった。男の、それも“獣”の目だった。

私は言葉を失い、ただ背中をエレベーターの壁に押しつけられる。
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