全部、俺のものになるまで
熱いお湯が肩に流れるたびに、胸の奥がじんわりと熱くなった。

ああ、私……湊に抱かれるんだ。

さっきまで映画で観ていたような、あの情熱的な場面が、現実になるかもしれないなんて。

鏡に映る自分を見つめて、小さく深呼吸した。

バスタオルで体を拭き、湊のTシャツを借りて浴室を出る。

すぐに湊が「俺も、浴びてくる」と言って、バスルームへ向かった。

私はそのあいだに、洗面台の前でドライヤーを手に取り、濡れた髪を乾かした。

ブォオオ……という音に包まれながら、どこか不思議な気分になる。

温風が髪を揺らすたびに、湊の手がそっと髪に触れてくるような気がした。

“このあと、どうなるんだろう”

胸が高鳴って、Tシャツの裾をそっと握る。

髪を乾かし終えたとき、バスルームのドアが開いた。

湊が、濡れた髪をタオルで拭きながら現れる。

その一瞬で、私の心臓が、ドクンと音を立てた。

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