全部、俺のものになるまで
「えっと……ベッド行く?」

そう言った私の声は、少し震えていたかもしれない。

湊は、うん、と優しく頷いた。

バスタオルでガシガシと髪を拭いている湊と並んで、ベッドの方へ向かう。

シーツの白が、やけに眩しく感じられた。

ベッドに腰を下ろすと、湊がそっと私の肩を押した。

柔らかく、でもしっかりとした手のひら。

私は自然に仰向けに倒れた。

「奈々、初めて……だよね」

湊の声は、いつになく真剣だった。

「うん……」

そう答えた瞬間、急に恥ずかしさがこみ上げて、顔が熱くなった。

湊は一瞬だけ目を伏せ、それから髪を掻き上げながら言った。
「俺?」

「ごめん。俺、初めてじゃないんだ」

その言葉に、心が少しだけ揺れる。

「高校生の時に、年上の女性に……教えてもらって……そんで……」

言葉を選ぶように、湊はゆっくりと話した。

私は、そっと湊の顔を見上げた。
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