全部、俺のものになるまで
週末、母の妹――私にとって叔母さんが家にやってきた。

玄関先で顔を見るなり、彼女は私を抱きしめる。

「大変だったわね、心音ちゃん……」

「ううん。心配かけてごめんね。」

リビングに通すと、叔母さんは落ち着かない様子で周囲を見回す。

そして、少し声を潜めるように言った。

「ねえ、あの……再婚相手の人とは、上手く暮らせてる?」

私は一瞬だけ言葉に詰まり、でも頷いた。

「うん、大丈夫だよ。和臣さんは優しいし、何でもしてくれるから。」

安心したように見えたのも束の間、叔母さんは突然、深刻な表情になった。

「その……変なこと、されてない?」

「え……?」

思わず息が止まる。

「いやね、最近そういうニュース多いでしょ? あの年代の男の人って、若い女の子が好きだったりするから……心音ちゃん、気をつけてね。」

胸の奥がざわつく。

――まさか、バレてる?

私は必死に笑ってごまかした。

「う、うん。和臣さん、そんな人じゃないから。」

でも、内心はひどく動揺していた。

私たちの関係は、決して他人に知られてはいけない。

たとえ、それが身内でも――いや、むしろ身内だからこそ。

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