推しに告白(嘘)されまして。
3.いつもとは違う放課後
*****
そしてあっいう間に放課後がやってきた。
あの後、見事推しと一緒に帰る約束を取り付けた私は、沢村くんと帰れるあと2時間後を思いながらも風紀委員室で、委員会活動に励んでいた。
と、言っても、私の委員会活動はやっても1時間くらいしかないので、あと1時間は沢村くんの部活が終わるまでどこかで時間を潰さなくてはならない。
ここでいつもより長く活動をして、最後にこっそり部活を見て、それから一緒に帰ろうかな…。
そんなことを思いながらも書類を軽く確認していると同じ机を共有する、目の前にいる金髪が目に入った。
目の前にいる金髪とはもちろん千晴だ。
千晴はあまりにもダイナミックに校則違反をするので、この度私の決定ではなく、風紀委員の顧問の先生によって、千晴の反省文提出が決まっていた。
そしてその千晴の監督をできる風紀委員は私しかいないとなり、私は今、千晴とマンツーマンでこの風紀委員室にいた。
全く何故こうなったのか。
一生徒である私に監督される理由も、突然反省文を書かせる流れになったのも全く意味がわからない。
まあ、風紀委員として仕事を頼まれたのならば、受けるしかないのだが。
それにこれに懲りて千晴が校則を守るようになれば万々歳だ。
改めて手に持っている書類に目を通しながらも、監督する為に、千晴を盗み見る。
「…」
やっぱり綺麗な顔だよね。
美人でまつ毛もきっと私より長い。
黙ってきちんとしていれば絶対得するはずなのにどうしてそうしないのだろうか。
うちの高校の進学科に入れたということは頭だっていいはずだ。
それなのに校則は破りまくるし、悪い噂が付きまとうくらいには素行が悪く、周りから怖がられているし。
何か理由でもあるのだろうか。
自分が不利になることを続ける理由が。