推しに告白(嘘)されまして。




だが、それで伝わる千晴ではなかった。
それで伝わってしまえば、今の千晴はいない。



「普通に悪いのは先輩の方じゃない?先輩が可愛すぎるのが悪い」

「は?」



無表情に、自分は悪くないと主張し始めた千晴に思わず、間の抜けた声が出る。

何を言っているんだ?コイツ?



「あんな可愛いキス顔見せられて、我慢するとか無理だから」

「はぁ?」



何故か私を責め始めた千晴に、呆れてしまう。
私に責められる要素なんて、一つもないのに。



「先輩が悪い。可愛すぎる」

「それはおかしいでしょ!?」



変なことを言い始めた千晴が、私の肩に両腕を回す。
急に近くなった距離にまた心臓が跳ねたが、そんなもの気にしている場合ではなかった。



「悪いのはお前じゃああ!!!」



自分の非を認めない千晴に、私はそう叫んだ。

ーーー私たちの言い合いが収まらず、恐る恐る進学科の一年生に声をかけられるまで、あと3分。



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