推しに告白(嘘)されまして。



*****



委員会活動は基本放課後の1時間程度だ。
だがしかし千晴の反省文の監督をした結果、私は放課後の2時間まるまる千晴の反省文の監督をすることになった。
しかも2時間も書いていたのに全く終わらなかった。
そう全くだ。

千晴と話をする時間ももちろんあったが、基本はずっと千晴は渡された紙にきちんと反省文を書いていた。
なので、私も委員会活動をしながらもそれを見ていた。

が、真面目に反省文を書いていると思っていたことが間違いだったのだ。

何となく監督ついでに反省文の内容を見てみると、そこには全く関係のないことばかり書かれていた。

『柚子先輩の怒りっぽいけど面倒見のいいところが好き』
『文句を言いながらも、見放せないところが好き』
『笑顔が可愛い』『怒っているところも可愛い』
『こっちを見てまず睨んでくるけど、懐いていない子猫みたいで面白い』

このふざけた内容は全部反省文に書かれていたほんの一部である。



「全くあんなことばかり書いていたなんてあり得ない!ちゃんと見ておけばよかった!」

「あんなことって…。俺なりに真剣に取り組んでいたつもりなんだけど」

「真剣?あれが?アンタが書いていたあれは反省文じゃなくて私への感想文っていうの!真剣のベクトルが違いすぎるの!」



どこか不満げな千晴にこちらも不満をぶつける。
全くこのクレイジー美人は本当に一体何を考えている!

もう下校時間になったので、反省文は全く終わっていないのだが、風紀委員室から出て、私たちは共に校舎外へと出る。
それから校門まで一緒に歩くと、そこには私の推しが待っていた。



「あ、鉄崎さん…と華守くん?」



私たちの姿を見て、沢村くんが不思議そうに首を傾げる。
何故、2人が一緒に?ととても不思議そうだ。





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