推しに告白(嘘)されまして。
そう、私はこの家のメイドとして、パーティー準備に借り出されるのだと思っていた。
しかし私は今、この大豪邸内にあるサロンのような場所で、ゴールドのマーメイドドレスに身を包んでいた。
…あれ?
急な展開に、本日何度目かわからない疑問が浮かぶ。
何故、たくさんのメイドさんに囲まれて、こんな場違いな格好をしているんだ?
「サイズに問題は?」
着替え終えた私を見て、千夏ちゃんは淡々とそう私に聞いてきた。
淡いくすみピンクの愛らしいドレス姿の千夏ちゃんは、美しく、可憐だ。
元からの美少女さと、内側から放たれる神々しいオーラが千夏ちゃんをそうさせていた。
「えっと、ピッタリだけど…」
「そう。それはよかったわ。そのドレス、アナタの為に作られた一点ものなのよ?」
「…え」
「ふふん。なかなか似合っているわよ、お義姉様?ますます華守の女として相応しくなったわね」
状況が未だに飲み込めず、戸惑う私に、千夏ちゃんが誇らしげに笑う。
そんな千夏ちゃんに、私はますますわけがわからなくなった。
私の為に作らせた一点もの…と、いうことはオーダーメイド?
え?オーダーメイド?
「…ちょっと状況がよくわからないんだけど、私は何故今こんな感じに?オーダーメイドドレスである理由は?何で採寸してないのにサイズがピッタリなの?」
思わず、疑問に思ったことを全て口にする。
すると、千夏ちゃんは怪訝な顔をした。