推しに告白(嘘)されまして。
「でもアナタ、お兄様のベッドでお兄様と一緒に寝ていたじゃない?それに今日ここにいるわけだし。それってもう恋人でしょ?」
「え、いや、あの、違うの。ベッドで寝ていたのは、結果的にああなっただけで、他意はないし、ここにいるのだって…」
「言い訳は結構。それよりも、お兄様以外の恋人、という聞き捨てならない言葉が聞こえたのだけれど?どういうことかしら?」
「うん。そこね、それはね、私には元々悠里くんという彼氏が…」
「悠里?…ああ、あの沢村悠里ね。まだあのお方と浮気をしているの?確かにあのお方は素晴らしいお方だけど、浮気はよくないわ。その浮気癖、やはり、直さないといけないわね」
「ち、ちが…」
「違う?あら、浮気をしておいて、堂々と弁明しようとはいい度胸じゃない?」
ダメだ。全然話を聞いてくれない。
捲し立てるように、話し続ける千夏ちゃんの誤解を、何とか解こうとするのだが、全く聞く耳を持ってもらえず。
そのまま、私はキッと目を釣り上がらせた千夏ちゃんに説教されることになった。
そして説教されながらも、私の身支度は再開されたのであった。