推しに告白(嘘)されまして。
4.本来の目的
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いくつもある大きな窓の外から、すっかり太陽が消え、星が瞬き出した頃。
華守家の大豪邸内にある広すぎるホールは、外とは対照的に、煌びやかなシャンデリアによって、眩しく光り輝いていた。
まるで中世ヨーロッパの貴族でも現れそうな格式高いホール内には、当然、煌びやかで、上品な人たちしかいない。
私はそんな異世界で、必死に歩いていた。
千晴の腕に、手を置いて。
「…」
何故、こんなことに…。
戸惑いながらも、あくまで、平静を装う。
風紀委員長として培ってきたものが、まさか今、役に立つとは。
緊張している私とは対照的に、私をリードして歩く千晴は、飄々としており、とても慣れた様子だった。
ふわふわの金髪は、今日は綺麗にセットされており、前髪はかきあげられている。
その髪型は、普段は自由でマイペースな千晴をしっかりとした落ち着きのある人に見せた。
キラキラと輝く金髪も、何故か映えていて、あまりにも似合っている為、フォーマルな気さえしてしまう。
ベストやシャツ、ネクタイまで黒で揃えられたスーツ姿は、千晴をシックでかっこよく、大人っぽくさせていた。
今日の千晴は堂々としており、気品があり、高校生には見えない風貌だった。