推しに告白(嘘)されまして。
「俺の気持ちだから受け取って、先輩。それに先輩からのクリスマスプレゼントは、ちゃんとあとからもらうから大丈夫だよ」
「…へ」
千晴の言葉に思わず、変な声を出してしまう。
前半の「受け取って」の、意味はわかった。
だが、後半の「ちゃんとあとからもらうから」の意味はいまいちよくわからない。
私はクリスマスプレゼントをこの場に用意していないんだが?
数日後に徴収しますよー、て意味?
不思議に思ったが、とりあえずそこは一旦スルーして、私は千晴からおそるおそる紙袋を受け取った。
「…ありがとう」
まずは申し訳ない気持ちを抑えながらも、何とか笑顔で千晴にお礼を言う。
そんな私に千晴は「ねぇ、中、見て」と急かしてきたので、私は早速袋の中を覗いてみた。
するとそこには、綺麗な黒いリボンが巻かれている小さな白い箱があった。
…アクセサリーだろうか?
見るからに高級そうなそれに、思わず身構えてしまう。
こんな凄そうなもの、もちろん人生で一度も贈られたことなどないし、ましてや触れたことさえもない。
緊張しながらも慎重に手を伸ばし、箱を紙袋から取り出すと、私はゆっくりとリボンを解いて、箱を開けた。