推しに告白(嘘)されまして。
「お金なんて使わなくていいよ。俺、先輩がいつも着けてるマフラーが欲しいから。クリスマスプレゼントに」
「は?」
千晴の要求に思わず目を見開く。
私のマフラーが欲しい?私が使っていたものだから、中古品だぞ?
「そんなものでいいの?」
「そんなものじゃない。先輩のものじゃん」
おかしなものでも見るような目で千晴を見ると、千晴も同じような目で私を見ていた。
よくわからないやつだ。
「本当に私のマフラーでいいの?」
「うん。先輩のマフラーがいい」
「…わかった」
理解に苦しむがまっすぐ私を見つめる千晴に私はやっと頷く。
それから自分の荷物を置いている場所に移動し、そこからマフラーを取ると、千晴の元へと戻った。
あとはマフラーを渡すだけ。
だが、そのまま渡すのも味気ない。
「…リボンとかない?」
「あると思うよ」
私の質問にそれだけ言って、千晴がスマホを触りだす。