推しに告白(嘘)されまして。
「今、メイドにリボンを持ってくるように言ったから。ちょっと待ってて」
スマホから視線を上げ、何でもないことのように千晴がそう言って数分後。
本当にこの部屋にたくさんのリボンが届けられた。
金持ちお坊ちゃま、すごい。
スマホ一つで、大量のリボンが現れるなんて。
千晴とリボンを持ってきてくれたメイドさんにお礼を言うと、私はその中から一つリボンを選んだ。
目についたのは、白と金のリボンだ。
金は千晴を思い浮かばせる色で、いつの間にか手に取っていた。
そのリボンを綺麗に畳まれている、私のベージュのマフラーに綺麗に巻き付けて、プレゼント風にしてみる。
私の意図とは違い、少し歪になってしまったが、そこには目をつむった。
私の行動をずっと黙って見ていた千晴に、私はそれを渡した。
「はい。えっと…私からのクリスマスプレゼント」
顔を上げて、千晴を見れば、千晴は愛おしげに、そして優しく私を見ていた。
あまりにも甘い瞳に、ドギマギしてしまう。
…なんて目で先輩を見ているんだ。
「やっぱり、先輩はいいなぁ」
私からマフラーを受け取ると、千晴は嬉しそうにそう言った。