推しに告白(嘘)されまして。
3.推しとの邂逅
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里奈さん、里緒ちゃん、私。
この並びで、私たちは体育館内へと入った。
やはりウィンターカップ会場であるここは、地元の体育館とはスケールが違い、その迫力に思わず息を呑む。
高い天井に、広く開けた場所。
少し向こうには大きな階段があり、さらに別の場所には、バスケの試合を行うコートに続く廊下のようなものが見える。
その廊下の手前には、関係者限定、と書かれた紙まであった。
ここが推しの晴れ舞台か…。
黙ったまま、まじまじといろいろなところを見ていると、里奈さんがふと口を開いた。
「そういえば、悠里は今日、柚子ちゃんがここにいること知ってるの?」
「いえ、悠里くんの邪魔はしたくないので黙って来ました」
「ええ!?」
私の答えに、里奈さんが驚きの表情を浮かべる。
一体、何に驚いてしまっているのだろうか。
里奈さんの驚きの理由がわからず、首を傾げていると、私たちの間を歩いていた里緒ちゃんが明るい声で言った。
「お兄ちゃん、絶対、柚子お姫様に会いたいよ!」
曇り一つない綺麗な眼差しに「ま、まさか!」とつい首を横に振る。
悠里くんは晴れ舞台に全集中したいはずだ。
それなのに気を使わなければならない相手、対モテ防止彼女が急に現れても大変なだけだろう。
…で、でも、里緒ちゃんの言う通り、会いたいと思われてたらとても嬉しい。
顔を青くしたり、赤くしたり、煮え切らない態度でおろおろしていると、今度は里奈さんが明るい声を出した。