推しに告白(嘘)されまして。
「へぇ、ふぅん。愛しの彼女ちゃんの前ではそんな顔するんだぁ。ふぅん」
「お兄ちゃん、お姫様大好きだもんね!」
からかうように笑う里奈さんに、可愛らしく笑う里緒ちゃん。
2人の真逆の微笑みに、悠里くんは照れくさそうに視線を落とした。
その頬はほんのり赤い。
「まぁ、うん。…というか、姉ちゃんはその顔やめて」
弱々しく里奈さんに抗議する悠里くんの姿は新鮮で、つい、ガン見してしまう。
お姉ちゃんに弱い、弟ムーブ悠里くん、とてもとても可愛いのだが?
そんな愛らしい悠里くんの頬を、里奈さんはその綺麗な手で鷲掴んだ。
「お姉さまに対しての態度はそれで合ってんのか?うん?まずは、来てくれてありがとうございます、よねぇ?」
「…ゔ、はい、ありがとうございます」
ああー!お姉さまー!
悠里くんのご尊顔が!ご尊顔がぁあああ!!!!
強気に微笑まれ、とても低いテンションで頷いた悠里くんの顔は、里奈さんの手によって、潰されている。
やめてぇ!と一瞬思ったが、それでも素晴らしい悠里くんの顔の新たな一面を見れた気がしてついドキドキしてしまう。
まるでご主人様には逆らえず、なすがままにされている忠犬のようだ。
ちょっと可愛いと思えてしまう。
家族の絆、素晴らしい。