推しに告白(嘘)されまして。
「邪魔なんかじゃないよ。柚子に俺も会いたかったし、会えた方が力出るから。勝つから見てて」
私をまっすぐと見つめる悠里くんの瞳は力強く、思わず息を呑む。
私の推しはきっと宇宙一、眩しくて尊い。
私は悠里くんの素晴らしさを噛み締めながらも、一拍置いてから、やっと悠里くんに頷いた。
「…あと、これはウィンターカップが終わってからの話なんだけど」
それだけ言って、悠里くんが一度視線を伏せる。
それから伺うように私を見た。
「クリスマス、やっぱり柚子と過ごしたかったな、て思って。ウィンターカップが終わったらどこかで一緒に過ごさない?」
「…っ。うん!」
悠里くんの思いもよらない提案に、私は驚きながらも嬉しくてすぐに頷く。
まさかクリスマスを一緒に過ごしたかったと言われるなんて!
もう過ぎてしまったけど、推しと過ごす日こそが、クリスマスです!
異論は認めません!
「ありがとう、柚子。じゃあ、そろそろ行くね」
「うん!悠里くん頑張って!」
こうして私たちは笑顔で別れた。
小さくなる悠里くんの背中を、私はずっと夢心地で見つめ続けた。
悠里くんの笑顔が、声が、その眩しい存在を構築する全てが、脳裏から離れない。
ーーー私の推しは最高だ。