推しに告白(嘘)されまして。
「ありがとう、柚子。俺、これからも頑張るから。だから応援してね」
「うん!もちろん!」
柔らかく微笑む俺に、柚子はいつものようにまっすぐとこちらを見て、笑顔で頷いた。
柚子はいつもまっすぐだ。
俺をその目で見つめて、決して離さない。
その目が俺は好きだ。
そこにはいつも俺を想う、まっすぐな想いがあるから。
じっと、俺の目を見つめて離さない柚子の瞳を覗く。
そこにはやはり、いつもの熱がある。
だが、ふと、俺は思った。
ーーー何かが違う気がする、と。
何が違うのかはもちろんわからない。
柚子の瞳には確かに俺を想う、熱があるはずなのに。
この違和感の正体は一体なんなのか。
考えかけて、俺はそれをやめた。
きっと大した問題ではない。
考えなくてもいいことのはずだ。
「柚子」
「ん?」
俺が優しく名前を呼べば、柚子が愛らしく小首を傾げる。その姿があまりにも愛らしくて俺はさらに瞳を緩めた。
穏やかな2人だけの世界。
今はそれだけで十分だ。
柚子のことをこれからも彼女として大切にしよう。
俺は改めて、そう心に刻んだ。