推しに告白(嘘)されまして。
2.パーティー準備
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悠里くんとのいい意味で心臓に悪すぎる買い物終了後、私たちは悠里くんの家へとやってきた。
新築そうな綺麗で洗練された一軒家。
それが悠里くん家の印象だ。
私と悠里くんはさっそくクリスマスパーティーをする為に、キッチンへと立ち、その準備を始めた。
本日作らねばならないものは、チキンの代わりの唐揚げに、メインディッシュのクリームシチュー。
サイドメニューのポテトにトマトとモッツァレラチーズのサラダに、クリスマスといえばのケーキだ。
ケーキはスポンジをもう買ってあるので、あとはデコレーションするだけだった。
…だが、ここで事件は発生した。
「…あの、その、久しぶりだし、もしかしたらできるかもって思ってて…」
包丁を持ったまま、硬い笑みを浮かべる私の額は冷や汗でいっぱいで。
包丁には、かつてトマトだったどろりとした赤い塊までついており、これでは見た目だけ殺人犯だ。
犯人である私の目の前のまな板には、無惨な姿になってしまったトマトがあり、とても申し訳ない気持ちになった。
そう、この現場を見ればわかる通り、私はものすごく料理が苦手なのだ。
とにかく力加減がわからず、無茶苦茶にしてしまうことが過去にも何度かあった。
その為、調理実習ではいつも片付ける、材料を計るに徹し、ここ5年ほど料理らしい料理を一切作ってこなかった。なので、もしかしたら成長して、できるようになっているかもしれないと自分の力を過信した結果がこれである。