推しに告白(嘘)されまして。
「あー…。柚子にもできないことってあるんだね」
この惨状を見て、悠里くんが困ったように笑う。
それから悠里くんは「一緒にやろっか」と、唐揚げを揚げる工程を一時中断した。
「俺がトマトを切るから、柚子は袋からモッツァレラチーズを出して?それからこのお皿にそれを盛り付けてくれる?」
「う、うん。それならできる」
悠里くんにお皿を渡されて、何度も何度も頷く。
悠里くんの優しさが胸いっぱいに広がり、私を暖かくさせる。
なんて優しい人なのだろうか。
最強で究極の推し。素敵だ。
悠里くんに言われた通り、私は作業を再開した。
その後、私は様々なことに挑戦した。
唐揚げ、ポテトを揚げようとしたが、勢いよく入れすぎて、油が派手に飛び散り、失敗。
材料を混ぜようとしたが、勢いよく混ぜすぎ、中身が飛び出て、失敗。
結局、私、主体では何もできないことが露見し、私は悠里くんのサポート役に回ることになった。
飾りつけと材料を測ることくらいしか私は一人でできなかった。
「…ごめん。何もできなくて」
揚げ終わった唐揚げを一つ一つお皿に盛りながら、謝罪する。
すると、今度はポテトを揚げていた悠里くんが不思議そうな顔をした。