推しに告白(嘘)されまして。
「やだぁー!わたしもお姫様とクリスマスパーティーするのー!」
扉の向こうから何やら抗議している様子の里緒ちゃんの声が聞こえてきた。
「だからダメだって!クリスマスパーティーは昨日したでしょ!?それに今日はもうお出かけしていっぱい遊んだじゃん!」
「嫌だ嫌だ嫌だぁ!わたしもお姫様とパーティーしたいぃぃぃ!」
それからそれを跳ね除ける里奈さんの声と、それでも抗議をやめない里緒ちゃんの声が続いた。
2人の声に一気に気持ちが明るくなる。
今日は会えないと思っていたので、嬉しいサプライズだ。
「クリスマスパーティーするの!」
「ダメ!」
「ダメじゃないもん!」
「ダメです!」
未だに続く2人の言い争いに、悠里くんは「あー。姉ちゃんたち帰ってきたね」と慣れた様子で苦笑いを浮かべている。
2人の可愛らしい口論はどうやら日常みたいだ。
「里緒、柚子のことすっかり気に入って…。あれからまた会いたいて、ずっと言っててさ」
困ったように笑う悠里くんに、心がほんわかする。
なんと可愛らしい妹さんなのだろうか。