推しに告白(嘘)されまして。
「ええー!やだぁー!わたしもクリスマスパーティーなの!」
しかしそれは、イヤイヤ、と里緒ちゃんに首を横に振られ、さらには私から離れようとしなかった為、叶わなかった。
「違う!今日は悠里と柚子ちゃんの日!カップルの日!里緒は一緒にパーティーできないの!」
「じゃあ、わたしもそのカップルだもん!だからいいもん!」
「おバカ!そんなカップルなんていません!」
「いるもん!ぜっっったいいるもぉん!」
「いないんですぅ!」
扉の向こうで聞こえていた言い争いが今、私の目の前で、再び始まった。
里奈さんが眉間にシワを寄せ、強く言い聞かせるように、里緒ちゃんが頬を膨らませ、それに反抗するように、口論を続ける。
先ほどもこんな感じで言い争っていたんだなぁ、と一瞬、呑気に傍観していたが、それどころではないと、首を横に振った。
このままではよくない。
「あの、悠里くんと話してたんですけど、お二人も一緒にどうですか?クリスマスパーティー」
二人の口論におずおずと言葉を発する。
すると、先ほどまで矢継ぎ早に出ていた二人の言葉は水を打ったように止まった。