推しに告白(嘘)されまして。
「…わ、わかったよ」
耳を澄ませて沢村くんのお言葉を待っていると、やっと不服そうな沢村くんの声が聞こえてきた。
「すごく申し訳ないけど、俺には告白してくる子たちをどうすることもできないし…。こっそり力を借りることにするよ。振られて好奇の目に晒されるのは俺だし…」
な、な、これは夢なのではないか?
渋々だが、今沢村くんは私に告白する感じのお言葉を発さなかったか?
こ、告白してくれるの?推しが?私に?
とんでもないことを聞き届けた私は彼らバスケ部の生徒たちに見つかり、この作戦がぱあにならないように足音を立てることなく、静かにその場を後にした。
そして、推しに告白されることが確定してしまった私は表向きは至って平静を保っていたが、心の中ではお祭り騒ぎだった。
告白されるのならぜひお付き合いまでしてしまいたい。
だってこんな幸運、一生私には巡ってこないかもしれないから。