推しに告白(嘘)されまして。




「付けてません。校則違反になるからね」

「そっかぁ。じゃあ、一回くらいは付けてくれた?」

「まぁ、うん。あれ可愛いし、付けれる時には付けてるよ。ありがとね、千晴」

「ふふ、どういたしまして」



淡々と答える私に、千晴は柔らかくその綺麗な瞳を細める。
その微笑みがどこか眩しく感じて、私は首を傾げた。

ーーーその時。



「柚子」



悠里くんに優しく名前を呼ばれて、私の思考は一瞬で、千晴から悠里くんへと引き寄せられた。



「俺たちも年末、少し遅れたけどクリスマスしたよね。これ、めっちゃ着心地いいよ。俺のこと考えて選んでくれたんだよね?ありがとう、気に入ってるよ」



爽やかにはにかみ、練習着を少し引っ張る悠里くんは、本当に嬉しそうで、私まで嬉しくなる。



< 304 / 389 >

この作品をシェア

pagetop