推しに告白(嘘)されまして。
3.失えない side悠里
side悠里
「あの時は確かに玉砕覚悟で本気じゃなかったけど、今はちゃんと本気だから」
賑やかな部室内に俺の真剣な声が響いた。
それによってあんなにも自由に喋っていた部員たちの声がピタリと止まる。
しかしそれはほんの一瞬で、すぐにその場にいた部員たちはいつもの調子で声を上げた。
「わかってるよ!」
最初に明るくそう言って、ガバッと俺の肩を抱いたのは隆太だ。
「俺たちはお前の味方だぁー!なぁ、みんな!」
それから部員全員にそう同意を求めた。
「「おおー!」」
隆太の声に部員たちは部活と同じ声量で応える。
みんなの暖かさに俺は胸が熱くなった。
彼らは大切でかけがえのない存在だ。
「お疲れ様でーす」
その時だった。
盛り上がっている部室内に大きな茶封筒を抱えた後輩、慎がいつもの調子で現れた。