推しに告白(嘘)されまして。
「いつからかはわかりませんけど、少なくとも今、そこにいましたよ」
「「な、何ぃ!?」」
慎の言葉に部室内にいた全員が大きな声をあげる。
「つまり、〝鉄子に玉砕大作戦!〟が聞かれていた可能性があるぞ!」
「さすがにやばいって!」
「ど、どうする!?」
それからそれぞれが顔面蒼白で、悲鳴にも聞き取れる声を出した。
俺はその中でやっと聞き取れた声に、顔を青くしていた。
…柚子に聞かれた。
作戦のことも、告白が嘘だったことも。
ーーー柚子にフラれる。
まだ何も起きていないはずなのに、足元から全てが崩れ落ちて、地獄へと突き落とされた気分になる。
息の仕方がわからない。
「…悠里、落ち着け。まだ全部聞かれたかどうかはわからないだろ?」
苦しい胸を必死で抑えていると、そんな俺を陽平が心配そうに覗き、背中を軽く叩いた。