推しに告白(嘘)されまして。
「待っていたわ!お義姉様!」
すると扉の向こうには白の可愛いレースがあしらわれたエプロン姿で、仁王立ちしている千夏ちゃんが立っていた。
スタイルがいいので仁王立ちスタイルでも、千夏ちゃんには華があり、まるでモデルのようだ。
「千夏ちゃん、こんにちは。今日は本当にありがとう」
私はまずは千夏ちゃんにお礼を言いながら、部屋へと入った。
この部屋はきっと厨房なのだろう。
部屋の中心には、大きな大理石っぽいもので作られた作業台のようなものがあり、それを囲うように壁際には様々なキッチン設備、業務用冷蔵庫などがある。
私のお礼に千夏ちゃんは特に気にする様子もなく、「お礼は結構。当然のことをしたまでよ?」と、気の強そうな笑みを浮かべた。
それから手に持っていた白のエプロンをこちらに差し出してきた。
「こちらがお義姉様のエプロンよ」
「何から何までありがとう、ちな…」
千夏ちゃんに渡されたエプロンを受け取り、広げたところで、私は固まる。
私の手にあるのは、白のレースの可愛らしいエプロン。
まさに今、千夏ちゃんが着ているものと同じものだ。
か、可愛すぎる…っ。
しかし、可愛すぎるからといって、せっかく用意していただいたものを突っぱねるわけにもいかず、渋々身につけると、千夏ちゃんと千晴はじっと同じ顔で私を見た。
「さすが華守の未来の奥方ね。悪くないわ」
まずは満足そうに頷いている千夏ちゃんの姿が目に入る。
そして…
「うん。似合ってる。かわいい、先輩」
と、どこか愛おしげに目を細める千晴の姿が目に入った。
そこで何故か、ドキン、と心臓が跳ねる。
どうやらこれから料理をするという緊張が今来ているようだ。