推しに告白(嘘)されまして。

3.胸の熱




*****



朝の散歩後、朝食を食べ終え、合宿二日目が始まった。

合宿二日目も一日目とやることは同じだ。
一人一人に配られたプリントを、各自ただひたすら解いていく。
それを一日目と同じように悠里くんの隣で集中していると、二年生の部屋に何故か我が物顔で千晴が現れた。
そして私の隣に当然のように座ってきた。

悠里くんと二人で使っていた机は、二人で使うにしてはかなり広く、全然千晴がいても問題ない。
だが、それでも、広さ以外の問題があった。
千晴と悠里くん、この二人の相性が何故かとんでもなく最悪なのだ。

二人に挟まれた私は奇しくも地獄の空気の中で、勉強をすることになった。

私にだけ話しかけ、互いを無視し、時には互いに険悪な雰囲気をまとい、睨み合う。
この二人の仲を取り持つことなど、今までの経験上、到底無理だと知っていた私は、苦笑いを浮かべ、ペンを走らせた。
たまに見ていられなくて、二人の間に入った時もあったが、私が間に入った一瞬だけ空気が和らぐだけで、地獄の空気は続いた。

寝不足と地獄の空気による気疲れと昨日の合宿からの疲れ。
本当は最後の一つだけが、今日に響いてくるはずだった。だが、いろいろあったおかげで、想定以上の疲労感が最後の最後に私を襲っていた。

そして夕方。
ついに勉強合宿は終了し、私たちはバスで学校へと戻っていた。
さまざまな疲れで、疲労困憊になっている私の横には、今は千晴だけがいる。
悠里くんは学校に到着後、バスケ部が部活をしていたようだったので、そちらの方へと行っていた。
その為、何となく流れで、どうやら今日は電車らしい千晴と共に駅へと向かうことになった。



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