推しに告白(嘘)されまして。
千晴からまた窓の外へと反射的に視線が動く。
すると、そこには私の予想通り、誰よりも輝きを放つ、尊い存在、悠里くんが立っていた。
悠里くんはたくさんの人に囲まれて、それでも私をまっすぐ見て、笑顔で私に手を振っていた。
その姿に思わず、頬から力が抜け、自然と柔らかい表情になる。
悠里くんと目を合わせ、同じように手を振り返していると、すぐ目の前から不満げな視線を感じた。
ーーーー千晴だ。
「…早速浮気?」
聞こえてきた声は刺さる視線と同じで、心臓がドクンッと跳ねた。
千晴の嫉妬につい甘いときめきを感じてしまう。
かわいい、と不覚にも思ってしまう。
「ち、違う…。これは推しに向けるやつで、千晴のとは…」
煩悩を振り払うように首を横に振り、慌てて千晴に弁明しようとする。
だが、千晴はそんな私に興味深そうに瞳を細め、私の言葉を遮った。
「俺のとは、何?」
「…」
口の端を上げ、改めて確認するように問いかけた千晴に、私は眉を下げ、笑う。
あの表情は何もかもわかっているものだ。
わかっていて、千晴は私にはっきりと言わせたいのだ。
私の気持ちを。