推しに告白(嘘)されまして。
「悠里くんへの好きは千晴のとは違う好きだよ。私がちゃんと好きなのは千晴だけだから」
どこか照れくさく思いながらも、はっきりと自分の想いを口にする。
すると千晴は珍しく、その頬をほんのり赤くした。
それからゆっくりと口を開いた。
「…ちゃんと好きになったのは俺が初めて?俺だけ?」
じっと私の瞳の奥を千晴が覗く。
期待に満ちたその目は、今か今かと私の返事を待っていた。
「うん、そうだよ」
「…そうなんだ。そっか。そっかぁ…」
私の言葉を噛み締めるように、千晴はまぶたを伏せ、口角をゆるゆると上げる。
幸せそうな千晴の表情に、私まで幸せな気持ちになった。
私の言葉一つでこんなにも喜んでくれる千晴が好きで、愛おしくて、たまらない。
こんなの、愛さずにはいられない。
「俺、先輩が思っている以上に重いし、束縛するし、浮気も絶対許さないから。覚悟しててね。きっと厄介だよ?」
するっと千晴が両手を私の腰に伸ばし、私を抱き寄せる。
とても近づいた距離に、ドキドキしながらも、私は笑った。
「今更何言ってるの?厄介なのは前からでしょ?私の厄介な後輩…いや、私の千晴?」
そう言って、こちらを見る千晴の頬に触れる。
触れた先はほんのりと熱があり、千晴という存在を私は肌で感じた。